緑の風光を訪ねて

中央アルプスの麓、駒ヶ根の緑の風光を巡ります

中沢の景観

駒ヶ根市は、2つのアルプスが見える街と呼ばれるように、3,000mクラスの山脈に両側から挟まれた地形に位置している。東側に南アルプス、西側に中央アルプスがひかえている。その中央を天竜川が南北に流れ、ちょうどハーフパイプのような形だ。

駒ヶ根市は、中央アルプスから流れる太田切川による扇状地の傾斜地にある。大田切川はやがて天竜川に合流するが、天竜川の反対側の地域は「竜東」と呼ばれることが多い。竜東とは、天竜川の河川敷にような下平地区、やや昇って東伊那地区、そして中沢地区を総称している。こちらの地域は、緑が豊かで、新緑の季節にはみごとな色彩をみせる。

中沢地区は、南アルプス方向へ山奥に通じる道沿いに、点々と集落が並ぶ。少し山間に昇り市外の方を振り返ると、遠く天竜川の流れとその向こうの中央アルプスが聳えている。この景色が好きで、何度も水彩画にした。下の画像は、緑豊かな中沢地区の田園風景で、とおくに市街地が眺められる。

 

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中沢地区の入口という地点から西側を振り返る。

地図の原第2農業生活改善センターのちかくで描いた。

 

お気に入りの風景

緑の美しさについては、いろいろなところで触れている。

そのなかでも心落ち着くのは、連なる緑とそれに埋もれるように民家が点在している景色だ。緑の大地と共に、調和して生活している感じがする。むろん実際そこに生活している人にとっては、この風景はあたりまえであり、陳腐なものですらあるだろう。その中に埋没してあえて意識できないからだ。だからよそ者の方が、その土地の魅力に気がつくということがある。

この絵画はだいぶ前に描いたものだが、そのときの気持ちはよく覚えている。こののちに、気に入ったこの地域に住み着くことになった。

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駒ヶ根東伊那で南方を望む。遠くの山は、陣馬形山。この山が曇っていると、

やがて天気が崩れる。

ちかくに城ノ腰の枝垂れ桜という古木があり、毎年豊かな花をつける。

 

新緑の季節になった

連休で仕事のオフ。

滞在していた娘と孫は帰っていき、再び静かな家に戻った。

畑仕事の前に、となり町のプールへ泳ぎに行った。

工事中のバイパス道路をぬけて山に近い道を走る。

駒ヶ根から松川にかけての深い緑が輝いていた。

南信州へ来た時に、この風景に驚いたのだったなと

あらためて思った。

 

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飯島町のJR駅から、東側に天竜川に向かう田園風景。

田んぼに水が入り奥の山の新緑が輝く。

 

緑の風光

駒ヶ根に転居してから20年以上経過した。

この南信州中央アルプスの麓の小さな町の魅力は、なんといっても緑の風光の美しさだろう。

かつてカメラマンのテラウチマサトさんが、駒ヶ根には風景の力があると、いみじくも言われた。関東圏で40台半ばまで生活してきた自分が、この地に住みたいと思ったのは、まさにこのきれいは風光をいとおしく思ったからだ。

また風景画として表現できないかと試行錯誤し始めたのも、この風景の力が作用したのだ。絵画に関わるようになり画材店を開いて、すでに10年近く経過した。

いまいちど、この緑の風光に向き合ってみたいと思う。

 

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駒ヶ根市中沢の原地区から駒ヶ根市街を望む。

高台に竜東簡易水道原配水場の大きなタンクがあり、

この付近から駒ヶ根市街が一望できる。